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奨学金制度の実態!奨学金の支給から返済までの問題点とは!?

日本学生支援機構の「平成26年度学生生活調査」によると、大学生の5割が奨学金を受給しているそうです。

奨学金というと優秀な学生に受給される学費支援制度と思っている人も多いと思います。しかし、奨学金には様々な問題点もあり、事前に奨学金の実態を知っておく必要があります。

奨学金を検討している方は、ぜひ参考にして下さい。

奨学金とは

奨学金制度という言葉は良く聞きますが、一体どのような制度でどんな人が対象となるのか分からない人も多くいる事でしょう。

奨学金とは能力や学力は充分あるにもかかわらず、金銭的、経済的な事情により進学が困難な学生に対し、学費や生活費の援助を行う制度になっています。

母子家庭や経済的に進学したくても出来ない子供達は意外に多く、その子供達にも平等な勉学の機会が与えられるようにと考えられた制度です。

経済的な問題がある場合だけでなく、特別優秀な学生などには奨学金の給付が行われる事もあります。奨学金の給付や貸与によって学費や生活費などの経済的負担が減り、集中して勉強が出来る環境を作るという事も目的の1つになっています。

奨学金の給付は卒業しても返還する義務はありませんが、貸与は決められた期間に返還する必要があります。

経済的に進学などが困難という理由だけでは奨学金は支給されず、その人の学力や人物等も判断基準となります。各大学も優秀な学生に来て欲しいため、勉学に熱意があり能力の高い学生を求めているのです。

手続きは学校を通じて行われる事が多く、その際に連帯保証人が必要になり、保護者ではなく学生本人が借りると言うことを忘れずに、しっかりと勉学に励むことが大切です。

奨学金と教育ローン

大学や短大への進学に際し、学力があるのに教育資金が足りないと言うことで諦めざる得ない子供達も沢山います。そういった時に利用できる制度として、奨学金や教育ローンといったものがあり、経済的に進学が難しい家庭の多くが利用しています。

奨学金と教育ローンの違いとしては、お金を借りる人が親か学生本人かと言うことがあります。奨学金の場合は学生本人がお金を借りて勉学に勤しみ、卒業後に返済するといった事になり、自覚を持って勉強が出来るというメリットもあります。

教育ローンは親が借りるお金になりますので、優先順位としては奨学金制度を一番に考えるのが良いでしょう。奨学金制度は収入や学力が優秀な事などの条件があることから、教育ローンを選ぶ必要がある場合もありますが、何処から借りるかは慎重に選ぶようにしましょう。

教育ローンを選ぶ際は金利がどのくらいか、保証料はかかるのか、総額がいくらになるかなどを比較検討する必要があります。教育ローンは受験シーズンにいろいろなキャンペーンを企画し、お得なローンなどが登場しますので、情報を収集して申し込むことが重要です。

奨学金や教育ローンを上手に利用し、学生が勉強に専念出来る環境を作って上げることが大切です。

奨学金と支給条件

奨学金の申込みは在学している学校を通じて行われますが、支給が可能かどうかの選考が行われ、採否が決定する仕組みになっています。奨学金の支給条件は高校や短大、専修学校などによって多少の基準は変わってきますが、全てにおいて共通な事は学力、家庭の経済状態、人物が審査基準となっています。

大学進学の為に無利息の第一種奨学金制度へ申し込む場合、1年生から申込時の成績が平均値3.5以上、家計を支えている人の収入金額などが判断基準としてあげられます。

第二種奨学金制度の場合は、申込み前の学力が平均以上である人、特定の分野での能力が高いと認められた人、大学に入り勉学に打ち込み確実に修了できると判断された人になります。この学力の条件と家計を支える人の収入金額によって、支給が可能かどうかの判断がされます。

収入に関する提出書類としては、源泉徴収票や確定申告書、所得証明書などがありますが、学校が指定した書類を用意する必要があります。

奨学金の認定を受け学校に入った後も、1年に1回適格認定奨学金継続願を提出する必要があり、成績や生活態度によっては奨学金の認定を取り消される場合もあります。申込む際には提出種類を漏れなく揃え、勉強を頑張りたいという強い意志を持ち、申請するようにしましょう。

奨学金の種類

奨学金で【給付】と呼ばれている物は返還の義務はなく、将来有望な人材として社会に貢献出来ると判断された学生に給付されます。

【貸与】と呼ばれる物は、卒業後には返還する必要がありますので安易に申し込みをせず、卒業後の事も考える必要があります。貸与給付金は返還したお金を次の学生に貸与していくことで成り立っていますので、必ず返還して次の人へ繋げるようにする事が大切です。

奨学金には様々な種類がありますが、一般的に知られているのは【日本学生支援機構】になり、多くの学生が利用しています。

【あしなが育英会】は様々な理由で親を亡くした子供達の為の民間の非営利団体になり、街頭での募金は多くの人が目にしていると思います。

国費での奨学金もあり、【防衛省貸費学生制度】は学校卒業後に防衛省へ就職するという条件があります。
【医学生向け就学資金貸与制度】は将来医師になりたいと希望する人が対象となりますが、卒業後は刑務所や少年鑑別所などの矯正施設の医師として働く事が条件となります。

【技能者育成資金】とは学生を対象にした制度ではなく、優秀な技術者を育成するためにあるものになっています。他にも【海外留学の奨学金】や【新聞奨学制度】【各大学による制度】などがあります。

奨学金の返済

奨学金の貸与を受けた人は、卒業後の一定期間に返済する必要があり、そのお金でまた次の人が勉強出来る制度になっています。貸与の際に連帯保証人を立てている場合、返済が遅れることで迷惑をかけることになりますので、決まった日に必ず返済を行うようにしましょう。

機関によって様々な方法があるため、大学や短大に入学する際に返済方法や返済期間などをきちんと把握し、確認した上で申込みを行う事が大切です。奨学金の返済は殆どの場合が卒業後6ヶ月を過ぎてから始まり、年に2回か年払いの2種類の方法があります。

奨学金の返済は口座引き落としになりますので、口座が無い場合は開設し、卒業間近には奨学金借用書や返還契約書などを提出する必要があります。

返済する意志はあるがどうしても返済が困難になってしまった場合、届け出ることによって猶予期間を設けてくれる場合もあります。正当な理由ということが条件ですが、手続きが面倒とか、理由が正当と認められるか分からないからと放っておくとブラックリストに載る可能性があるので、きちんと手続きを行いましょう。

奨学金によって勉強が出来たという事を忘れずに、次の後輩にも繋げるためにも返済は絶対にしなければいけません。

奨学金の問題点

経済的に進学が困難な学生でも、希望の大学などで勉強が出来るという奨学金制度は、とてもメリットが多くあるのですが、問題点もあります。奨学金制度を行っている機関は様々ありますが、貸与の審査基準が厳しい場合も多く、必ず制度が利用できる訳ではありません。

書類の提出も多く、世帯収入も公的証書で提出し、学生の学力の高さや健康状態なども厳しい審査基準となっています。奨学金は最短の期間を設定しているため、留年してしまった場合などの学費は支給されず、結局辞めてしまうという人も多くいます。

卒業後に返済する義務がありますが、返済が滞るとブラックリストに載ってしまい、将来の住宅ローンや車のローンにも影響が出ますので注意が必要です。

新聞奨学金の場合、労働が契約とは違い休み無く毎日働かされ、勉強する時間もなく、過労死してしまったという問題も起きています。新聞奨学金は卒業まで働くという契約なので、仕事を辞めれば大学へも通えないと言うことがあるため、辛くてもそのまま働かざるを得ないという現状があるのです。

奨学金制度はとても助かる制度として、多くの学生が利用し、勉学に勤しんでいますが、卒業後の返済などを良く考えて決める事が大切です。

新聞社と奨学金

新聞社での奨学金制度とは、都市群の新聞社が学費全額や一部を負担し、学生に新聞配達などの仕事を行って貰うという制度になっています。普通の奨学金は卒業後に返済する義務がありますが、新聞社の制度の場合は卒業まで業務を行うため、返済の義務は発生しません。

入学から卒業まで新聞配達を行い、そのアルバイト代で奨学金の返済を行うと考えれば早く、足りない場合は差額金の返済を行う必要があります。生活を送る部屋の提供もあるため家賃の心配もなく、食事も安く食べられるような新聞社が多いため、余分なお金がかからないで済むというメリットがあります。

早朝の3時頃に起床し、新聞配達を終えてから大学や短大へ登校し、帰宅したら夕刊の準備と配達を行うと言うことで、慣れるまでは大変です。その間に勉強も行う必要があるため、学業と仕事のバランスを取るのが難しく、問題点も多くあるのが現状です。

新聞奨学金制度は実験や実習が多い理系の学生の募集は行っておらず、不規則な授業の多い分野の人には合いません。労働の大変さと勉強のバランスがとれず辞めてしまう人もいますが、この場合奨学金を一括で返済する必要があります。

卒業まで辞めないという契約で奨学金が支払われるため、この制度を利用しようと考えている人は、制度を良く理解してから申し込むことが大切です。

日本学生支援機構の奨学金

日本学生支援機構はJapan Student Services Organizationを略してJASSOとも呼ばれていますが、以前は育英会としても親しまれていました。育英会が行っていた奨学金貸与事業と、日本国際教育協会や内外学生センターなどが行ってきた留学生交流事業などを1つにし、総合的に支援事業を開始したのです。

日本学生支援機構は文部科学省が所管する独立行政法人として設立され、奨学金制度の中でも最も利用者が多くなっています。日本学生支援機構の奨学金は2つに分けることが出来、第一種奨学金と第二種奨学金と呼ばれています。

第一種奨学金とは無利子で貸与される物ですが、学力が高くなければ判断基準に通らない事が多く、入学前の成績で判断されるため、出身校が重要になってきます。第二種の奨学金は利息が発生し、年利の変動も関わってくるため返済額が高くなってしまう可能性があります。

その分判断基準も低く、親の年収の条件を満たしていれば殆どの人が採用となる制度になっています。奨学金を受ける場合には連帯保証人を立てる必要がありますが、一定の保証料を支払えば貸与を受けられる機関保証制度もあるので、申込時に選択する必要があります。

どらちも返済すると言うことを忘れずに申し込みをする必要がありますので、将来自分が返済できる額を考える必要があります。

予約奨学金とは

予約奨学金という制度が日本学生支援機構にはあり、進学前に貸与の約束がなされるという制度になります。大学や短大、専修学校専門課程などに進学したいけれど、経済的に難しいという人は、受験勉強にも力が入りませが、予約奨学金制度を利用すれば安心して勉強に取り組むことが出来ます。

受験前の高校3年生時に予約が決定し、奨学金は無利子の第一種か、利子がつく第二種の3万円から12万円まであります。卒業後に返済することを考えて金額を決定し、申し込みをする必要がありますが、途中での変更も可能となっています。

予約奨学金は入学した4月から卒業まで毎月指定口座へ振り込みされますが、初回は5月となり、入学式には間に合わないので注意しましょう。入学時特別増額貸与奨学金は初回のみ30万円増額して貸与することも出来るので、必要な場合は利用しましょう。予約奨学金は人的保証か機関保障が必要になり、人的の場合は両親や4等親内、機関保障では保証料を支払うことになります。

申込み基準として収入の基準が定められた金額より下回る事が条件となり、第一種の場合は学力重視で、高校での成績が全履修科目の評定平均値が5段階評価で3.5以上、特定の分野で特に優れた能力がある人などがあります。

留学と奨学金

奨学金は海外留学を希望する学生が利用する事も可能になっていて、多くの機関が勉学に熱心な学生をサポートしています。日本の大学や短大への進学も高額な資金がかかりますが、海外への留学となると費用は高く、経済的に諦めている学生は多くいます。

奨学金を受けることで経済的な負担が少なくなり、夢だった海外留学が満喫出来るこの制度は、学生にとってとてもありがたい事だと言えます。海外留学の奨学金制度はいろいろな機関があるため、留学を希望する国によって一番良い機関を選ぶことが良いでしょう。

フルブライト奨学金はアメリカ留学で有名な機関となり、アメリカの勉強や社会の様々な問題、教育分野の勉強を行いたいと言う人向けになっています。

ロータリー財団は人道的な分野の学科の勉強を強く希望する人向けになっていて、ロータリークラブが存在している国であけば、何処の国でも留学が可能になっています。

中島記念国際交流財団は留学先の指定はありませんが、情報学科や生命化学、経営科学を専門分野としている学生に限定されています。

CWAJは女性限定になり、海外の大学院への留学に奨学金制度があり、日本学生支援機構は国の指定が無いため、好きな国への留学が可能になっています。

他にも多数の機関がありますので、自分の留学にあった機関を慎重に調べ、奨学金制度を上手く利用して勉学に励みましょう。

まとめ

奨学金には様々な種類があり、とくに貸与の奨学金は「学生のための借金」と言い換えることもできます。

もし返済が滞るとブラックリストに入り、新規でクレジットカードやキャッシングの申込みをしても審査に通らないこともあります。そうなると車のローンや家のローンも組めません。

奨学金の利用を考えてる人は、奨学金制度の実態をしっかりと把握し、返済計画までを含めて検討したほうが良いでしょう。

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