子供に多い食物アレルギーの対策を!親の自己判断には注意が必要

アレルギーは花粉やダニ、金属など様々なものがありますが、食べ物をで身体に様々な症状が起こるのが食物アレルギーです。
食物アレルギーは6歳未満の子供に多く見られ、厚生労働省の調査によると「乳幼児の7人に1人が食物アレルギーの症状がある」と示しています。
乳幼児のいるご家庭は、しっかりした食物アレルギーの対策を行う必要がありますね。食物アレルギーに関する基礎知識をまとめてみましたので、ぜひ参考にして下さい。
食物アレルギーとは
食物アレルギーとは、ある特定の食品を食べることにより、身体の免疫機能が過剰反応し、様々な症状を引き起こします。
この食物アレルギーの原因となる物質を「アレルゲン」と呼び、卵や牛乳、小麦やそば、大豆やチーズなどが代表的な食品です。
ただし、全員がアレルゲンに反応する訳ではなく、卵はダメだけれど小麦は大丈夫、あるいは、そばだけに症状が現れるなど人によって様々です。また、アレルゲンによる症状も様々で、皮膚が赤くなり、かゆみを伴うだけの場合や、少量の摂取でも死の危険がある場合など様々です。
乳幼児のときに食物アレルギーが発症し、治療をしていくケースが多く見られますが、成人になってから突然発症する場合もありますので、誰にでも起こるものと考えるべきです。とくに食物アレルギー症状のある人は食事だけではなく、特定の薬や注射でも反応を起こすこともありますので注意が必要です。
食物アレルギーの原因
食物アレルギーに関する正しい知識を持っていることが、とても大切になります。
近年、花粉症に悩む人が増えていますが、これもアレルギー症状のひとつです。原因物質が違うだけで原理は食物アレルギーと一緒になります。
食べ物でアレルギーが起こる原因は、食物に含まれているタンパク質にあり、原因となる物質は「アレルゲン」です。体内にタンパク質が入ると身体が異物として過剰に反応し、免疫システムが抗体で対抗していきます。
その影響が気管支や皮膚など特定の場所に現れるのが食物アレルギーです。湿疹や呼吸器の痙攣、最悪はアナフィラキーショックに至ることもあります。
原因となる食べ物が特定できれば、アレルゲンの摂取を控えることで症状は現れないので、自分が何の食物アレルギーか調べる必要があります。
アレルギーが出る人と出ない人の違いは、いまだに解明されておらず、一般的には遺伝が大きく関係していると言われています。
食物アレルギーの症状
食物アルレギーの症状はアレルギー反応を起こす場所によって変わり、皮膚や呼吸器系、目や鼻の粘膜などがあります。
皮膚粘膜症状のアレルギー症状としては、蕁麻疹や湿疹、むくみやかゆみなどの症状が現れ、粘膜の症状としては、かゆみや涙目、結膜の充血などが起こります。
消化器系の食物アレルギー症状としては、嘔吐や下痢、腹痛などが起こり、上気道症状や下気道症状としては、風邪の症状に似た鼻づまりやくしゃみ、咳などが表れます。
最も注意すべき症状はアナフィラキシーショックで、意識低下や血圧低下によって呼吸困難となり、死に至ることもあります。
また、一過性の食物アレルギー症状としては、果実などで起こる唇や口腔粘膜のかゆみや蕁麻疹などがあります。一過性の場合は、アレルギーによる症状も短時間で元に戻りるので過度に心配する必要はありませんが、次回に同じ物を摂取する場合は注意するようにしましょう。
食物アレルギーのその他の症状としては、食後1時間程度で起こる胃けいれん、悪心や腹部膨満感、腹鳴などがあります。
食物を摂取した後に少しでも食物アレルギーの症状に当てはまるようであれば、病院で検査を受けて対処するようにした方が良いでしょう。
食物アレルギーと遺伝
食物アレルギーの症状がある人とない人の違いは解明されていませんが、遺伝が大きく関係していると考えられています。
両親が食物アレルギーではなかったとしても、3親等程度までの範囲で考えられるため、親族にアレルギーがある人がいる場合は注意が必要です。また、両親ともアレルギーがあるのに、子供には何のアレルギーも出ないという事もあります。
両親や親族に食物アレルギーの人がいる場合、離乳食になかなか踏み切れないご両親も多くいますが、遅く始めることにはあまり意味が無いため、スプーンの練習や味を覚えさせる意味でも、一般的な時期から様子を見ながら始めるようにしましょう。
遺伝というと子供に対して自虐的な気持ちになる両親が多いようですが、100%遺伝という訳ではありませんので、自分を責めるのではなく子供をしっかり見守ることが大切です。
生後半年くらい経ったら医師のもとで血液検査を受けて食物アレルギーの反応を調べ、その食品を食べないように離乳食を始めれるようにしましょう。
また、子供は成長と共に食物アレルギーが治る場合も多くいますので、前向きな気持ちで過ごすことが大切です。
食物アレルギーの対策
食物アレルギーの人は、原材料の確認などを行いながら食事をしていますが、食べたものを日記などに書き記すことが大切です。
食物アレルギーの明確な治療法はまだ確立していないため、一人ひとりの症状を理解して治療を進める事がとても重要になるのです。そのための対策として最も有効なのが、食べたものの記録を付けて症状が出たときに医師へ提出することです。
薬を飲めば食物アレルギーを治療できるわけではないので、個々の体質そのものを変えて行く必要があるのです。
乳幼児の場合は、アレルゲンのない食物献立表を作り、お菓子やジュースなどを与えられないよう、周囲の人の理解も得るなど、子供にもお菓子などを貰わないように教えていく必要があります。
成長するにつれてアレルギー反応も弱くなり、自分で食べて良いのか判断が出来ますが、子供の頃は、ついうっかり食べてしまったり、貰ったお菓子を何も考えずに食べてしまうことが多くあります。
最悪の場合は命にも関わるため、小さい頃からきちんと教育する必要があります。
食物アレルギーの表示
加工食品などの食品表示には何が含まれているのか解りにくく、食物アレルギーの人にとっては安易に口に出来ない場合も多くありました。しかし、平成14年から加工食品のアレルギー表示制度が始まり、多少は加工食品でも安心して食べられるようになったと言えるでしょう。
食物アレルギーのない人には必要性を感じないかもしれませんが、アレルギー症状によって死に至る事もあり、食品表示の有無はとても重要な事なのです。
とくに、卵や牛乳、小麦、そば、エビ、カニ、落花生の7品目は、食品表示が義務付けられている食品です。
卵や小麦などは食物アレルギーの症状が出る割合が高く、そばや落花生は重篤な症状になる可能性が高いので、必ず表示する義務があるのです。
ほかにもアレルギー表示を義務付けられている品目は18種類あり、イカやイクラ、鯖、大豆、胡桃、ゼラチンなどがあります。ただし、表示が義務付けられている7品目であっても、缶詰などの加工食品は、表示されていない場合があるので注意が必要です。
また、スーパーやコンビニで売られているお弁当やお総菜、包装容器が小さくて表示が出来ない加工食品などは、食物アレルギーの表示がされていないので注意する必要があります。
まとめ
急速に食物アレルギーの人が増えている背景には、食生活の変化が大きな原因と考えられています。
とくにスーパーに並ぶ多くの食品には食品添加物が含まれ、残留農薬の問題などもあります。
食物アレルギーの人にとっては、本当に大変な問題です。